○東久留米市における法令遵守の推進等に関する条例

平成19年3月30日

条例第11号

目次

第1章 総則(第1条―第7条)

第2章 公益通報(第8条―第11条)

第3章 不当要求行為等(第12条―第15条)

第4章 その他(第16条―第20条)

付則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、職員の職務に係る法令遵守及び倫理の保持のための体制整備を図り、公正な職務の遂行を確保することにより、もって信頼される市政を確立し透明で適法かつ公正な市政運営に資するものとする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 職員 地方公務員法(昭和25年法律第261号。以下「法」という。)第3条第2項に規定する一般職に属する東久留米市(以下「市」という。)の職員をいう。

(2) 職員等 法第3条第3項第3号及び第3号の2に規定する者、市の出資する団体の役員及び職員、市から業務を受託し、又は請け負った事業者の役員及び従業員、地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項の規定により市が指定した指定管理者の役員及び従業員並びにこれらであった者をいう。

(3) 市民 市の区域内に住所を有する者又は市の区域内に存する事務所及び事業所に勤務する者をいう。

(4) 法令遵守 職員が法律、条例、規則その他現行の法令に基づいて行政を執行することを基本に、日常業務の中で公平公正な職務の遂行について正しい選択と決断を行うことをいう。

(5) 任命権者 法第6条第1項に規定する任命権者をいう。

(6) 公益通報 職員、職員等が市政運営上の法令違反又は人の生命、身体、財産若しくは生活環境に損害を与える行為(不作為を含む。以下「違法行為等」という。)が生じ、又はまさに生じようとしていると思料するときに、不正防止のために東久留米市法令遵守審査会に対して行う通報をいう。ただし、不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正な目的で行うものを除く。

(7) 通報者 公益通報を為す職員、職員等及び市民をいう。

(8) 不当要求行為等 暴力、脅迫行為、暴言、喧騒その他の不穏当な言動により、又はその地位を利用し、若しくはその権限に基づく影響力を行使して、職員に対し、不適正にその職務上の行為をし、又はしないことを求める行為その他不正な手段によって職員の公正な職務の執行を妨げる行為をいう。

(職員の責務)

第3条 職員は、常に法令等を遵守し、誠実かつ公正な職務の執行に当たるとともに、不当な要求に対しては毅然として対応しなければならない。

2 職員は、市民全体の奉仕者であることを深く自覚し、正当な理由なく一部に対してのみ有利又は不利な取扱いをする等不当な差別的扱いをしてはならず、常に市民の立場に立って公正かつ親切な態度で職務を遂行しなければならない。

3 職員は、自らの行動が市全体の信用に影響を及ぼすことを常に認識し、公私の別を明らかにするとともに、その職務や地位を私的な利益のために用いてはならない。

4 職員は、この条例の趣旨等について市民に対して十分な説明を行うとともに、行政の透明化を図ることにより市政に対する理解と協力を得られるよう努めなければならない。

(任命権者等の責務)

第4条 任命権者は、職員に対する研修の実施、不当要求行為等に適切な対応ができる体制の整備、通報者の保護、関係者への指導啓発等この条例の目的を達成するために必要な措置を講じなければならない。

2 管理又は監督の地位にある職員は、その職務に係る法令遵守及び倫理の保持について自らの責務を深く自覚するとともに、所属の職員に対して常に適切な指導を行わなければならない。

(市民の責務)

第5条 市民は、地方公共団体を構成する一員として常に市の行政運営に関心を払い、職員による公平公正な職務の遂行について理解し、協力するよう努めるものとする。

2 何人も、職員に対し公正な職務の遂行を損なうおそれのある行為を要求してはならない。

(法令遵守審査会の設置)

第6条 市長は、市における公益通報及び不当要求行為等に関する調査、審査等を行い、公平公正な職務の遂行を確保するため、東久留米市法令遵守審査会(以下「審査会」という。)を設置する。

2 審査会は、法令遵守について識見を有する者の中から市長が選任又は委嘱する委員3人以内をもって組織する。

3 委員の任期は、2年とする。ただし、再任を妨げない。

4 審査会は、この条例に規定する具体的任務を遂行するほか、次に掲げる事項を担任する。

(1) 広く法令遵守について調査、研究するとともに、必要に応じ市長に意見を述べること。

(2) その他この条例に基づき法令遵守の推進を図ること。

5 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

6 この条例に定めるもののほか、審査会の組織及び運営について必要な事項は、規則で定める。

(法令遵守推進委員会)

第7条 市長は、職員の職務に係る法令遵守及び倫理の保持等、体制の整備を管理推進するため、東久留米市法令遵守推進委員会(以下「委員会」という。)を設置する。

2 委員会は、副市長及び参事職にある職員を委員として組織する。

3 委員は、審査会の参与として審査会の任務の一端を担うとともに、職員の日常的な法令遵守に関する相談、通報者からの公益通報及び不当要求行為等への対処に関する受付等を行うものとする。

4 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

5 この条例に定めるもののほか、委員会の組織及び運営について必要な事項は、規則で定める。

第2章 公益通報

(公益通報)

第8条 通報者は、第2条第6号の公益通報の必要があると認めたときは、速やかに委員会を通じ審査会にその内容を通報することができる。

2 公益通報をする場合は、原則として実名により誠実に行うものとし、この制度を濫用してはならない。ただし、匿名により公益通報をする場合には、通報事実が確実にあると信ずるに足りる相当な根拠を審査会に示さなければならない。

(不利益取扱いの禁止等)

第9条 市長及び任命権者(以下「市長等」という。)は、通報者に対して公益通報をしたことを理由として、いかなる不利益な取扱いもしてはならない。

2 通報者は、公益通報をしたことによって不利益な取扱いを受けたと思料するときには、審査会にその是正の申立てをすることができる。この場合において、通報者がそれ以後に受けた不利益な取扱いは、特段の理由のない限り、当該通報をしたことを理由としてなされたものと推定する。

3 市長等は、通報者を保護するため、通報者が特定されるおそれがある情報は公開してはならない。

(審査会の任務)

第10条 審査会は、第8条第1項に規定する公益通報を受けたときは、当該通報の内容の真否及び重要性について速やかに調査及び審査を行うものとする。

2 審査会は、前項の審査の結果当該通報どおりの事実があると認めるときは是正措置等についての意見を付し、又は該当する事実がないと認めるとき若しくは調査を尽くしても当該事実の存否が明らかにならないときは、その旨を市長等に通知するものとする。

3 審査会は、前項の規定により市長等に通知する場合には、次条第1項に規定する市長等が行う措置について意見を述べることができる。

4 審査会は、審査の結果を通報者に通知しなければならない。ただし、匿名の通報者又は報告を希望しない通報者に対しては、この限りでない。

5 審査会は、市長等が正当な理由なく次条第1項の措置をとらないときは、これを公表することができるものとする。

6 前条第2項の是正の申立ての調査及び審査については、第1項から前項までの規定を準用する。

(通報に係る措置等)

第11条 市長等は、前条第1項の審査会の通知(前条第6項で準用する場合を含む。)を受けたときは、当該通報の内容の真否及び重要性の程度に応じて、公益通報に係る違法行為を停止し、又は適法な状態に回復するために必要な措置をとるとともに、再発防止のために必要な措置を講じなければならない。

2 市長等が前項に定める措置を行う場合は、前条第3項に規定する審査会の意見を尊重しなければならない。

3 市長等は、前項に規定する場合のほか、通報者が通報をしたことにより不利益な取扱いを受け、又は受けるおそれがあると認めるときは、速やかに改善又は防止のために必要な措置を講じるものとする。

4 市長等は、公益通報に係る事実がないことが判明した場合等で関係者の名誉が害されたと認めるときは、事実関係の公表等関係者の名誉を回復するため適切な措置を講じるものとする。

第3章 不当要求行為等

(不当要求行為等への対応)

第12条 職員は、不当要求行為等による一切の不当な要求に応じてはならない。

2 職員は、職場において不当要求行為等が発生し、又はそのおそれがあると認めるときは、直ちに上司及び委員会(以下「上司等」という。)に報告しなければならない。

(上司等の義務)

第13条 上司等は、職員から前条第2項に規定する報告を受けたときは、直ちに、当該報告に係る不当要求行為等の内容に応じて職員の公正な職務の遂行を確保するため、必要な指導及び援助を行わなければならない。

2 委員会は、前項の場合において、当該報告に係る不当要求行為等によって公正な職務の遂行に重大な支障が生じるおそれがあると認めるときは、速やかに当該報告の内容を審査会に報告しなければならない。

(審査会の任務)

第14条 審査会は、前条第2項に規定する報告を受けた場合において、当該報告の内容に関して不当要求行為等に該当すると疑うに足りる相当の理由があると認める場合は、速やかに必要な調査を行うものとする。

2 審査会は、前項の規定による調査の結果を市長等に通知するものとする。

(不当要求行為等に対する措置)

第15条 市長等は、前条第2項の規定により審査会の通知を受けたときは、当該通知に基づいて、不当要求行為等の行為者に対して文書で警告を行うものとする。

2 前項の場合において、市長等が不当要求行為等の再発を防止するために必要と認めるときは、規則に定めるところにより、行為者の氏名、警告の内容その他の事項を公表することができる。

3 第10条第2項及び第11条第2項の規定は、前各項の規定による不当要求行為等に対する措置について準用する。

第4章 その他

(調査権限)

第16条 審査会は、第10条第1項及び第14条第1項の調査に関し必要があるときは、関係事務所に立ち入り、当該通報対象事実について関係者に質問し、又は必要な帳簿書類等を閲覧し、若しくはその提出を求めることができる。

(職員、職員等の協力)

第17条 職員、職員等は、公益通報及び不当要求行為等の調査及び審査のため審査会から求められたときには、協力をしなければならない。

2 前項の規定により調査に協力をした職員、職員等は、その際に知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

(調査の中止)

第18条 審査会は、次の各号のいずれかの場合は第10条第1項及び第14条第1項の調査を中止するものとする。

(1) 当該通報対象事実について地方自治法第242条第1項の規定による請求が行われたとき。

(2) 当該通報対象事実が係争中の事項に係るものとなったとき。

(3) 当該通報対象事実について、刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第230条の告訴又は同法第239条の告発がされたとき。

(4) 当該通報対象事実について、市長等が是正等のために必要な措置を講じたとき。

(運用上の注意)

第19条 市長等は、この条例の運用に当たり関係者の人権が不当に侵害されないように配慮しなければならない。

(委任)

第20条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、規則で定める日から施行する。

(平成19年9月規則第47号で、同19年10月1日から施行)

(適用区分)

2 この条例の規定は、この条例の施行の日以後に行われる通報及び不当要求行為等について適用する。

(東久留米市特別職の職員で非常勤のものの報酬および費用弁償に関する条例の一部改正)

3 東久留米市特別職の職員で非常勤のものの報酬および費用弁償に関する条例(昭和31年条例第55号)を次のように改正する。

別表第1個人情報保護審査会の項の次に次のように加える。

法令遵守審査会

委員長

日額

11,000

委員

日額

10,000

(令和2年2月28日条例第1号)

この条例は、令和2年4月1日から施行する。

東久留米市における法令遵守の推進等に関する条例

平成19年3月30日 条例第11号

(令和2年4月1日施行)

体系情報
第3類 行政通則/第2章 行政手続
沿革情報
平成19年3月30日 条例第11号
令和2年2月28日 条例第1号