第1　この要綱は、判断能力が不十分な障害者が、成年後見制度を利用して自己決定権を保持し、もって尊厳ある生活を続けることを目的とし、成年後見制度利用支援事業を実施するために必要な事項を定めるものである。

(定義)

第2　この要綱における用語の意義は、次に定めるところによる。

(1)　審判の請求　知的障害者福祉法(昭和35年法律第37号)第28条又は精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和25年法律第123号)第51条の11の2で規定する審判の請求のことをいう。

(2)　成年被後見人等　成年被後見人、被保佐人又は被補助人のことをいう。

(3)　成年後見人等　成年被後見人の配偶者又は親族以外の者で、家庭裁判所が選任した成年後見人、保佐人又は補助人のことをいう。

(4)　市民後見人　弁護士や司法書士などの資格は持たないものの、社会貢献への意欲や倫理観が高い一般市民の中から、成年後見に関する一定の知識や態度を身に付けた者で、民法(明治29年法律第89号)の規定による成年後見、保佐又は補助を行う者をいう。

(事業の内容)

第3　事業の内容は次のとおりとする。

(1)　審判の請求を行うこと。

(2)　審判の請求に要する費用を負担すること。

(3)　成年後見人等に対する報酬の助成を行うこと。

(審判の請求の考察事項)

第4　東久留米市長(以下「市長」という。)は、審判の請求を行うにあたって、審判の対象者(以下「本人」という。)に関し、次に掲げる事項を総合的に考察するものとする。

(1)　本人の年齢が65歳未満で、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)第19条第2項又は第3項の規定に基づき、東久留米市(以下「市」という。)が介護給付費等の実施機関であること。

(2)　本人の事理を弁識する能力の程度

(3)　本人の配偶者及び二親等内の親族(以下「親族等」という。)の存否

(4)　本人又は四親等内の親族が審判の請求を行う可能性の有無

(5)　市又は関係機関が行う各種施策の活用による本人に対する支援策の効果

2　市長は、前項の考察を行うにあたり、東久留米市成年後見推進機関又は法律、保健、医療、福祉等について専門的な知識を有する者に助言を求めることができる。

(審判の請求手続き)

第5　審判の請求に係る申立書、添付書類及び予納すべき費用等の手続きは、本人に係る審判を管轄する家庭裁判所の定めるところによる。

(審判の請求に係る費用の負担)

第6　市は、家事事件手続法(平成23年法律第52号)第28条第1項の規定により、審判の請求に係る費用を負担する。

(審判の請求に係る費用の求償)

第7　市長は、第6の規定により市が負担した費用について本人又は関係人が負担すべき特別な事情があると判断した場合は、当該費用の求償権を得るため、家事事件手続法第28条第2項の規定による命令に関する職権発動を促す申立てを家庭裁判所に対して行うものとする。

2　市長は、前項の申立てにより費用の負担を命ずべき審判がなされた場合は、その命令を受けた者に対し、当該費用について求償するものとする。

(成年後見人等への報酬の助成)

第8　市長は、第6の規定により審判の請求に係る費用を負担し、後見開始、保佐開始又は補助開始の審判を受けた者で、次のいずれかに該当する者を対象とし、成年後見人等報酬の全部又は一部を助成するものとする。

(1)　生活保護法(昭和25年法律第144号)の規定による保護を受けている者又は中国残留邦人等の円滑な帰国の促進並びに永住帰国した中国残留邦人等及び特定配偶者の自立の支援に関する法律(平成6年法律第30号)の規定による支援給付を受けている者

(2)　本人の当該年度(4月から6月までの決定にあたっては前年度)の市町村民税が非課税であり、かつ、本人の実収入月額及び資産の状況から前号に準ずると認められる者

(3)　前2号に該当しないが、生計の状況に大きな変動があり、助成金を支給する必要がある者

2　第8の1で報酬助成の対象となった者が65歳に到達し、生計の状況に大きな変動がない場合は、引き続きこの要綱による報酬助成の対象とする。

(助成対象費用等)

第9　助成の対象となる費用は、成年後見人等の報酬に係る費用とする。

2　助成金の額は、別表の区分に応じた金額を限度額とし、予算の範囲内で市長が決定する。ただし、市民後見人が成年後見人等として選任されている場合は、1月当たり5,000円を限度額とする。

3　前項の規定にかかわらず、家庭裁判所の審判で定められた成年後見人等に対する報酬の額が助成額に満たない場合は、当該報酬額を限度とする。

(助成金の申請)

第10　助成金の交付を受けようとする本人又はその成年後見人等(以下「申請者」という。)は、東久留米市成年後見人等報酬助成金交付申請書(様式第1号)により市長に申請するものとする。

2　前項の申請書には次に掲げる関係書類を添付しなければならない。

(1)　報酬付与の審判書謄本の写し

(2)　市町村民税非課税証明書又は生活保護受給証明書

(3)　成年後見人等が家庭裁判所に提出した財産目録等の写し

(助成の決定)

第11　市長は、第10に規定する申請書の提出があったときは、その内容を審査し、助成の可否を決定し、東久留米市後見人等報酬助成金交付・不交付決定通知書(様式第2号)により申請者に通知するものとする。

(助成金の請求)

第12　第11の規定により助成金の交付決定の通知を受けた者は、東久留米市成年後見等報酬助成金請求書(様式第3号)を市長に提出し、報酬の助成を受けるものとする。

(助成の中止)

第13　市長は、成年被後見人等の所得状況及び生活状況の変化又は死亡等により、助成の要件に該当しないと認める場合は、助成を中止し、東久留米市成年後見人等報酬助成金交付中止通知書(様式第4号)により申請者に通知するものとする。

(助成金の返還)

第14　市長は、次のいずれかに該当するときは、交付した助成金の全部又は一部を取り消し、当該助成金について返還を命ずることができる。

(1)　虚偽の申請その他不正の手段により助成金の交付を受けたとき。

(2)　助成金を他の目的に使用したとき。

(3)　その他市等が特に返還が必要と認めたとき。

(補則)

第15　この要綱に定めるもののほか必要な事項は、市長が別に定める。

付則

付則(平成26年9月18日訓令乙第141号)

付則(平成30年5月28日訓令乙第129号)