○東久留米市生活困窮者等自立相談支援事業実施要綱
平成27年3月26日
訓令乙第99号
(目的)
第1 この要綱は、生活困窮者自立支援法(平成25年度法律第105号以下「法」という。)の自立相談支援事業(以下「本事業」とする。)を実施するにあたり、必要な事項を定めることを目的とする。
2 本事業は、生活困窮者が抱える多様で複合的な問題につき、生活困窮者からの相談に応じ、必要な情報提供及び助言を行うとともに、生活困窮者に対する支援を一体的かつ計画的に行うことにより、生活困窮者の自立の促進を図ることを目的とする。
(実施主体)
第2 この事業の実施主体は、東久留米市(以下「市」という。)とする。ただし、事業を適切、公正、中立かつ効率的に実施することができる者であって、社会福祉法人、一般社団法人、一般財団法人又は特定非営利活動法人その他市長が適当と認める団体に、市が直接行うこととされている事務を除き事業の全部又は一部を委託することができる。
(事業内容)
第3 本事業は、生活困窮者の自立と尊厳の確保及び、生活困窮者支援を通じた地域づくりであり、次に掲げる取組を行うものとする。
2 包括的かつ継続的な相談支援として、生活困窮者に対して広く相談を行うとともに、生活困窮者が抱える多様で複合的課題を包括的に受け止め、その者の置かれている状況や本人の意思を十分に確認(以下「アセスメント」という。)した上で、支援の種類及び内容等を記載した計画(以下「プラン」という。)を策定する。またプランに基づくさまざまな支援が始まった後も、それらの効果を適切に評価・確認をしながら、本人の状況に応じた適切な就労支援も含め、本人の自立までを包括的・継続的に支援すること。
3 生活困窮者支援を通じた地域づくりとして、生活困窮者の早期把握や見守りを行うため、関係機関・関係者のネットワークを構築し、包括的な支援策を用意するとともに、生活困窮者の社会参加や就労の場を広げていく。さらに、生活困窮者の支援にあたっては、既存の社会資源を積極的に活用するとともに、社会資源が不足している場合は、新たに開発することに努めること。
(配置職員)
第4 市は自立相談支援事業を実施する機関(以下「自立相談支援機関」という。)を設置し、主任相談支援員、相談支援員及び就労支援員(以下「主任相談支援員等」という。)を配置することを基本とする。また、主任相談支援員等は、原則として、当分の間、厚生労働省が実施する養成研修を受講し、修了証を受けた者とする。ただし、当分の間は、その限りではない。
2 主任相談支援員は、自立相談支援機関における相談業務全般のマネジメント、他の支援員の指導・育成、支援困難ケースへの対応など高度な相談支援を行うとともに、社会資源の開拓・連携等を行う。
3 相談支援員は、生活困窮者へのアセスメント、プランの作成を行い、様々な社会資源を活用しながらプランに基づく、包括的な相談支援を実施するとともに、相談記録の管理、訪問支援等(以下「アウトリーチ」という。)を行う。
4 就労支援員は、生活困窮者へのアセスメント結果を踏まえ、公共職業安定所や協力企業を始め、就労支援に関する様々な社会資源と連携を図りつつ、その状況に応じた能力開発、職業訓練、就職支援等の就労支援を行う。
(相談支援)
第5 生活困窮者に対する包括的かつ継続的な相談支援は、次の各号のとおり実施する。
2 生活困窮者の把握・相談受付については、生活困窮者の複合的な課題に包括的・一元的に対応する窓口を設置し、来所による相談を受け付ける。また、生活困窮者の中には自ら相談に訪れることが困難な者もいることから、自立相談支援機関は待ちの姿勢ではなく、アウトリーチを含めた対応に努める。この場合、地域内の関係機関のネットワーク強化を図り生活困窮者の早期把握に努め、必要に応じて訪問や声かけなどを行う。
3 相談受付時に、相談者の主訴を丁寧に聞き取った上で、他制度や他機関へつなぐことが適当かを判断(振り分け)する。
4 相談者への他制度等の紹介のみで対応が可能な場合や、明らかに他制度や他機関での対応が適当であると判断される場合は、情報提供や他機関へつなぐことにより対応する。
5 相談内容から、自立相談支援機関による支援が必要であると判断される場合は、本人から、本事業による支援プロセスに関する利用申込を受けて、その同意を得るとともに、丁寧なアセスメントを行う。アセスメントにより、本人に関する様々な情報を把握・分析した後、自立相談支援機関が継続してプランの策定等の支援を行うか、又は、他制度や他機関へとつなぐことが適当かを改めて判断(以下「スクリーニング」という。)する。
(アセスメント・プラン策定)
第6 アセスメント・プラン策定は、スクリーニングの結果、自立相談支援機関による継続的な支援が妥当と判断された者については、本人のアセスメント結果を踏まえ、本人の自立を促進するための支援方針、支援内容、本人の達成目標等を盛り込んだプランを策定する。
2 プラン策定前においても、必要に応じて、緊急的な支援(住居確保給付金の支給等)や自立相談支援機関の就労支援員による就労支援その他の地域おける様々な社会資源を活用した各種支援が受けられるよう、必要な調整を行うものとする。
3 プランの内容は、自立相談支援機関が自ら実施する支援に加えて、法に基づく支援である住居確保給付金の支給、公共安定所が実施する生活保護受給者等就労自立促進事業、生活福祉資金貸付事業の他の公的支援事業、上記のほか、本人の自立を促進するために必要と考えられる支援を盛り込むものとする。
4 支援調整会議を開催し、プランの内容が適切なものであるか確認を行うとともに、プランに基づく支援に当たって、関係機関との役割分担等について調整を行う。
5 公共職業安定所が実施する生活保護受給者等就労自立促進事業につなぐ場合については、実施主体がプランの内容を確認し了承した後、自立相談支援機関は、支援決定等がなされたプランの写しとともに、必要書類を公共職業安定所に送付することにより、支援要請を行う。
6 自立相談支援機関は、実施主体の支援決定又は確認を受けたプランに基づき、具体的な支援の提供等を行う。
(支援サービスの提供)
第7 支援の提供・モニタリング・評価・再プラン策定・終結について次に掲げる事項とする。
2 プランに基づき、自立相談支援機関自ら支援を実施するほか、各支援機関から適切な支援を受けられるよう本人との関係形成や動機付けの促しをサポートする。
3 各支援機関による支援が始まった後も、各支援機関との連携・調整はもとより、必要に応じて本人の状況等を把握する。
4 定期的なプランの評価は、目標の達成状況、現在の状況と残された課題及びプランの終結・継続に関する本人の希望・支援員の意見等を整理し、概ね3か月、6か月、1年など本人の状況に応じ、支援調整会議において行う。
5 評価の結果、支援の終結と判断された場合は、他機関へのつなぎや地域の見守りなどの必要性を検討し、必要に応じてフォローアップを行う。
6 評価の結果、プランを見直して、支援を継続する必要があると判断された場合は、改めてアセスメントの上、再度プランを策定する。
(支援調整会議)
第8 支援調整会議は、プランの策定等にあたり、次に掲げる事項を主な目的として開催する。
2 自立相談支援機関が策定したプランについて、本人の課題解決及び目標の実現に向けて適切であるかを協議し判断する。
3 各支援機関が、プランの支援方針、支援内容、役割分担等について共通認識を醸成し、これを了承する。本人が抱える課題を設定した目標を共有し、各支援機関の役割を明確化する。
4 プラン終結時等においては、支援の経過と成果を評価し、自立相談支援機関としての支援を終結するかどうかを検討する。
5 個々のニーズに対応する社会資源が不足していることを把握した場合には、それらを地域課題として位置付け、社会資源の創出に向けた取組を検討する。
(開催方法)
第9 支援調整会議は必要に応じて随時、開催する。
(支援決定)
第10 プランに盛り込まれた住居確保給付金の利用について、その可否を決定するために支援決定を行う。
2 住居確保給付金の事業の利用要件に該当しない等、支援決定ができない理由がある場合は、その理由を速やかに自立相談支援機関に報告する。報告を受けた自立相談支援機関は、本人と関係機関・関係者と再度プラン内容について確認・調整を行い、見直したプランとする。
(生活困窮者支援を通じた地域づくり)
第11 生活困窮者の自立に向け、包括的かつ継続的な支援が提供されるよう、自立相談支援機関が中心となって、支援調整会議その他の既存の合議体も活用して協議の場を設ける。また効率的かつ効果的に生活困窮者を早期把握し、チーム支援を行うためには、関係機関との連携は重要であり、このためのネットワークづくりを一層進め、その活用を図る必要がある。また自立相談支援機関が自ら又は当該協議の場、関係機関とのネットワークを通じて、把握した社会資源の不足については、支援調整会議その他の協議の場において地域課題として認識した上で検討を行うとともに、生活困窮者の支援に関する新たな社会資源の開発に努める。
(住居確保給付金の手続き)
第12 住居確保給付金の相談・受付業務、受給中の面接業務等は、自立支援機関において実施する。
(情報提供)
第13 本事業は、生活困窮者支援の制度化に向けた取組みであることから、事業の支援効果について検証し、課題の把握を行うとともに、別に定めるところにより厚生労働省に情報提供を行うこととする。
(委任)
第14 この要綱に定めるもののほか、事業の実施に必要な事項は市長が別に定める。
付則
この訓令は、平成27年4月1日から施行する。